たとえば、振り回し練習。
35度を超えた真夏の炎天下の中、
「おい、暑いさなかに左右の振り回し練習を
たくさんやれば、勝てるようになるぞ!」
と、小学6年生の私(田中)は
テニスクラブのコーチに言われ、
ひとかご100球超のボールを
サイドラインからサイドラインへ走り、
汗水&鼻水をたらしながら、
ボールを必死に返球しました。
もちろん途中からは意識朦朧。
今なら、大問題となるほどの
イジメのような練習でした。
で、うまくなったかのか?
いいえ。
12歳の少年がフラフラになるまで
コートを左右に走り回らされ、
ヨロヨロとなった状態でボールを打つ。
そんな状況では、正しいフォームで
ボールを打てるはずもなく…
まったく意味不明の練習となりました。
ところが、科学的な分析の進んだ
現代ならいざ知らず、
迷信、神のお告げ、都市伝説が
力を持つ時代だったので、
振り回し練習がなくなることは
ありませんでした。
それどころか…
私の一つ年上の先輩は、
「2面振り回し練習だ!」
とコーチに言われ、
頭おかしいのでは?
と思い、テニスをやめてしまう時代でした。